いつかくまちゃんがおじいさんになって、
光ちゃんとお別れする時が来るかもしれません。
でも大丈夫。
その時にはくまちゃんは光ちゃんに
船長の“オカリナ”を全部渡している筈ですから。
くまちゃんと光ちゃんは今日もとっても仲良しです。
だって二人は家族なんですから。
終わり
プラス・・・おまけのお話。
光ちゃんと出会ってからまだ間もないある日。
くまちゃんはミグレに会いに行きました。
※ミグレ登場については
「世界中をまわって見つけたこと」を
知らせに行ったのです。
「こんにちは、ミグレ」
「こんにちは くまちゃん。」
長いことあっていなかった二人ですが、まるで別れたのが
昨日のように喋ることができました。
「ミグレ、僕分かったんだ。
当たり前の毎日が本当はすごく大切に
しなくちゃいけないことだってこと。
みんなが手をつなぎあって生きているってことが
分かったんだ」
くまちゃんの話を聞くと、ミグレは
「船長に最後に渡してくれって頼まれてたの」と
ある箱を取り出しました。
開けてみると、そこには船長からの
メッセージが書いてありました。
私のくまへ
君に私の名前をあげよう。
くま・ウィル.Jr
キャプテン・ウィル
船長は最後に自分の名前をプレゼントしてくれたのです。
くまちゃんはそれまで名づけられた名前を
持っていなかったのです。
「ああ、僕泣いちゃいそう」とくまちゃんは
いいました。
船長の書いた字で名前をもらって、胸が熱くなるほど嬉しいのに、
それを伝えることはもうできないからです。
「泣けばいいのよ。バカねぇ」と
ミグレはふわふわのしっぽで背中をなでてくれました。
くま・ウィル.Jrは光ちゃんにいつか、ウィル船長の冒険を
お話しするかもしれません。
でもそれはまたのおはなし・・・。
おしまい