くまちゃんと光ちゃん74~76

 
 
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掘った砂は山のように高くなり、
穴の底はさらに深くなっていきました。
陽の光も届かなくなってきた穴の底で
くまちゃんはある日、カチリとスコップの刃に何か当たった
感じがしました。
 
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掘り出してみると
それは小さな瑪瑙(メノウ)色をしたオカリナでした。
砂深くに埋まっていたオカリナは青空の下、
キラキラと輝いて嬉しそうです。
でも、くまちゃんが探していたものはこんなものではないのです。
しばらくじっとオカリナを見つめていたくまちゃんは、
ペタリと座り込むと、
とうとうぽつりと涙をこぼしました、
 
 
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大声でしゃくりあげて、足をバタバタさせて
くまちゃんは泣きました。
 
船長に会いたいのに、僕の家族なのに!
どこにもいない、出てきてくれない。
悔しくて悲しくて くまちゃんはわんわん泣きました。
泣いて泣いて、もう止まらなくなるまで
泣きつくしました。